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- On 8月 26,2020

「リスティング広告のレポートを確認するとクリックが0回なのにCVが1件発生している」
「表示回数0回なのに1回クリックされている」
このような経験はありませんか?
レポートのバグ⁉それとも改ざんされた⁉
本当にこの数値であっているのか、不安になるかもしれません。
今回はこのような現象が起こる理由をお送りします。
Contents
リスティング広告のレポートがおかしい
リスティング広告の長所の1つとして、
「広告が何回表示され、そのうち何回クリックされ、それはいくらで、どれだけCV(=お問い合わせや資料請求などの成果)に結びついたかが数値として分かる」
ということがしばしば挙げられます。
しかしリスティング広告のレポートを見た際に、不思議なことが起こっていると気付く人もいるでしょう。
リスティング広告では、「表示された広告がクリックされることでコストが発生し、クリックしたユーザーがCVに至る場合がある」という流れがあります。
つまり、「表示回数≧クリック数≧CV数」という大小関係が存在するはずです。
しかしレポートでは、
・クリック数0回、CV数1回
・表示回数0回、クリック数1回
など前述の大小関係を無視する数値になっていることがあります。
これはレポートのバグでしょうか?
もしくはリスティング広告の運用代理店を通してレポートを提出してもらっている場合は、「もしかして改ざん⁉」なんて不安になってしまう方もいるかもしれません。
もちろんバグや改ざんでは100%ないとは断言はできないですが、このような数値のおかしな大小関係は、実は媒体側(GoogleやYahoo!)の集計の仕組みに原因がある場合が多いのです。
理由①:「無効なクリック」としてカウントされた
Google広告(旧:GoogleAdWords)やYahoo!広告(旧:Yahoo!プロモーション広告)には、「無効なクリック」と呼ばれる指標があります。
「無効なクリック」とは、意図しないクリックや不正なソフトウェアによって発生したクリックなどを、GoogleやYahoo!が無効と判断したクリックのことです。
つまりユーザーが広告をクリックしてサイト流入しCVに至ったものの、媒体側が無効なクリックと判断してしまうことで、「クリック0回・CV1回」という現象が起こるのです。
「クリックを無効と判断するなら、そこで起きたCVも無効になる?」
「CVが起きているなら、そのクリックは無効ではないのでは?」
と思い、以前媒体側に電話で問い合わせたところ、クリックを集計するタイミング・システムと、CVを集計するタイミング・システムが異なるため、2つが連動することなくレポートの数値にずれが生じるとの回答でした。
ちなみに無効なクリックとして集計されたクリックではコストが請求されません。
つまり、無効なクリックでCVが発生した場合、コスト0で成果が発生するというお得なことになります。
また、あるGoogle広告アカウントで、検索のテキスト広告、リターゲティング広告、動的リターゲティング広告、DSK(Display Select Keywords)の4タイプで広告を配信した結果、
動的リターゲティング広告>リターゲティング広告>DSK>テキスト広告
の順に、不正クリックの割合が大きいことが分かりました。
動的リターゲティング広告は、賃貸物件の広告で見たことがある人も多いのではないでしょうか?
広告枠が2つ3つに区切られ、それぞれ物件の広告が表示されます。
その広告をクリックしてリンク先のサイトに飛び、また戻るボタンでページを戻ると、広告に掲載される物件が変わっている、というものです。
このように、動的リターゲティング広告では、ページを読み込むたびに掲載される情報が切り替わります。
よって、ユーザーが一度広告をクリックした後に戻るボタンで前のページ(動的リターゲティングによって広告が表示されているページ)に戻り、切り替わった他の情報を見て再度広告をクリックすることを繰り返すことで、他の広告に比べ、不正クリックとみなされやすいのではないかと思います。
※不正クリックの判断のされ方については下記の検証記事をご覧ください。
Google広告、200回を超える不正クリックを見事無効に!
理由②:ページの再読み込み
リスティング広告ではCVを計測するために、CVタグというものをサンクスページのソースコードに追加します。
サンクスページとは「お問い合わせありがとうございました」や予約完了のページで、そのWEBサイトでの成果が完了するページのことです。
CVタグが設置されたページにユーザーが流入しタグが発火することでCVが計測されます。
一度CVしてサンクスページまで辿りついた後、ページを更新したり、履歴から辿ったりしてサンクスページを再度読み込んだ場合、ユニークCVの値に変動はありませんが、総CVは再度計測されます。
つまり「クリック1回・ユニークCV1回・総CV2回」という現象が起こり得るのです。
また、一度CVした後にブラウザのキャッシュを消去し、再度サンクスページのURLにアクセスした場合は、ユニークCVも2回と計測されます。
このような場合に「1クリック2CV」となるのです。
理由③:リンク共有の際に、リスティング広告経由のURLを共有された
リスティング広告では、リスティング広告経由であると分かるようにURLに印が振られることがあります。
これをパラメータと呼びます。
通常のURLの末尾に?を使って付加し、どこからの流入なのかを計測することができます。
Google広告ではこのパラメータが自動で付加される「自動タグ設定」があり、これをオンにすると、どの広告からのクリックでサイトが表示されたのかが判別できるようになります。
リスティング広告経由でサイトに流入したユーザーが、パラメータの付与されたページURLをコピーしてLINEやメールで友人に共有した場合、共有された友人がそのリンクを踏むことでクリックが計測されてしまいます。
しかし広告は表示されているわけではないので表示回数はカウントされません。
このようなときにレポートで「表示回数1回・クリック2回」がカウントされます。
心配なときは管理画面を確認し問い合わせ窓口へ
以上がリスティング広告のレポートで数値がおかしいときの主な理由です。
それ以外にも本当にバグである可能性もあるので、少しでも不安に思った場合は管理画面を確認し、各媒体の問い合わせ窓口で相談してみるといいでしょう。
また、リスティング広告の運用代理店を通したレポートの場合は、管理画面の共有や、管理画面からダウンロードした元のレポートの共有を求めてみてはいかがでしょうか。
結果を数値として把握できるリスティング広告。
せっかくなので、そのメリットをきちんと活かして運用していきたいですね。
参考:
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